KISHUN : 古界 ｜ Kokai

笙奏者の石川高と楽琵琶奏者の中村かほるによるデュオ。
笙と琵琶のみを使用し、「旋律のない雅楽」を演奏すというコンセプト。
質感と雰囲気がとっても良いです。

「kishunは、笙（マウスオルガン）奏者の石川高と楽琵琶奏者の中村かほるによるデュオ。2015年からは笙と琵琶のみを使用し、「旋律のない雅楽」と呼ぶ、秘められた響きを引き出すことをコンセプトに活動している。
雅楽は日本古来の宮廷音楽であり、1000年以上の歴史を持つ。平安時代には、貴族たちが日本古来の歌舞や、5世紀から9世紀の間に朝鮮や中国から伝わった楽曲を収集し、一つの芸術として形作った。雅楽は日本に根付くにつれ、編曲・再構築され、現在私たちが耳にする形は日本独自のものとなっている。平安時代にはすでに、現在の形に近いものとなっていた。雅楽は、宮中で奏でられる宮廷音楽と、寺社の祭礼や儀式で演奏される宗教音楽の二つの世界で生き続けている。このような歴史のため、雅楽は貴族や専門の音楽家によって守られ、庶民の嗜好からは遠ざけられてきました。雅楽の楽器や舞は、他のほとんどの日本の伝統とは大きく異なります。
雅楽には、舞楽（大陸から伝わったものを含む舞）、管絃（器楽アンサンブル）、国振りの歌舞（日本の古い歌と舞）、歌物（平安時代の声楽）の4つの主要な種類があります。このうち、管絃は日本では珍しく、楽器のみで構成されたフルオーケストラです。他のほとんどの日本の音楽は歌を中心にしています。器楽演奏がある場合は、小グループか、演劇や舞踊の補助として行われることが多いです。管絃は一線を画しています。 管絃アンサンブルは「三管二絃三鼓」と呼ばれます。管楽器は笙、篳篥（ダブルリード）、龍笛です。弦楽器は琵琶と箏です。太鼓は、鉦、太鼓、鉦鼓です。篳篥と龍笛はメロディーを運びます。笙は和音でメロディーを包みます。弦楽器はリズムを作ります。紀俊は古典曲でも即興でも笙と琵琶だけを演奏します。 笙はフリーリードの口琴で、長さも音程も異なる17本の竹管があります。それぞれの管には小さな金属製のリードが付いています。古典スタイルでは、演奏者はタンギングを使用しません。息でフレーズを形成します。笙は音量は大きくありません。アンサンブルでは、合竹と呼ばれる長く安定した和音を演奏します。これらの和音はメロディーに彩りを添え、旋法（音階）の中心を示します。 楽琵琶はリュートです。今日では4本の弦と4つのフレットがあり、撥で演奏されます。背面は平らで胴は浅いです。音は初めは強く、その後すぐに消えていき、ほとんど響きません。このため、琵琶はハーモニーよりもリズムを重視した演奏をします。
管絃の旋律楽器を排し、相竹和音で音場を築く笙と、リズムを描く琵琶に焦点を絞る。旋律の陰に隠れる声を前に出すという試みだ。二人の名手による巧みな技巧によって、彼らはそれを成し遂げた。雅楽のフルアンサンブルではしばしば無意識に覆い隠されてしまう音が、前面に出て鮮やかに語りかけてくる。」



1. 壹越調調子と撥合 Ichikotsucho Choshi and Bachiawase 03:07
2. 壹越調 春鶯囀遊聲 Ichikotsucho Shnnouden no Yusei 03:38
3. 平調 陪臚 Hyojo Bairo 04:36
4. 太食調 仙遊霞 Taishikicho Sen’yug 06:06
5. 即興 I Improvisation I 02:40
6. 盤渉調調子と撥合 Banshikicho Choshi and Bachiawase 03:52
7. 盤渉調 青海波 Banshikicho Choshi and Bachiawa 08:32
8. 太食調 合歓塩 Taishikicho Gakkaen 08:05
9. 即興 II Improvisation II 02:12

Sho: ISHIKAWA Ko
Biwa: NAKAMURA Kahoru
Mastered by Daisuke Matsusaka
Design by Keita Shimamura
Text on the sleeve by ISHIKAWA Ko
Released by ato.archives

This release is a part of ato.archives' traditional music series "Kawanosayo / 川の作用" and curated together with Hyotan Namaz.